Statement
 越天楽今様はタイトルの通り、雅楽の曲「越天楽」から着想を得て製作中の作品です。「越天楽」という曲は唐より平安期はじめに伝来したとも日本で作曲された曲だとも言われ、諸説あるようです。平安期の初めにお寺で演奏されていたようです。その「越天楽」という曲に歌詞を後に付け今の様を歌ったものが「越天楽今様」と呼ばれています。それは後に民謡「黒田節」へと派生し、民間でも聞かれる様にもなりました。今ではお正月にかかる曲として耳馴染みのある方も多いかと思います。
 今回は「越天楽今様」のその歴史の中で生きてきた曲になぞらえ、「変わらないもの」「受け継がれるもの」そして「今の様」をテーマにしています。この作品群では時間軸を過去から今と一方向へと流すのではなく、曲になぞらえあらゆる時間が混在する様にまとめています。今を生きる我々は果たして今という時間をどう捉えているのでしょうか。自然の中にいるとき、古い建物を見ている時、そして今を見る時。我々はそこにある事象に何を見つめて何を感じているのでしょうか。この作品群ではそこにある脈々と繋がれてきた事象と「今」という事に改めて目を当てて見たいと思い制作しています。この作品の制作を通して私も今という事について再考する事になりました。私がこの写真を撮った時はまさしく「今」でしかなかった事象は写真として組むことによってどう見え方が変わるのか。私は今「今」の見方について考えています。

鋭意製作中です。
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